[賃金04] 10月から最低賃金引上げ

 はじめに

 10月から最低賃金が全国で上がります。

 最低賃金引上げは、2017年の「働き方改革実行計画」で、「毎年約3%ずつ上げて、全国平均を1000円にしよう」と目標が出されたのをきかっけに、現在まで少しずつ上がり続けています。

 今回はその「最低賃金」について話していきたいと思います。

 

ー 目次 ー

 

 

 

01 全国の最低賃金一覧

 最低賃金がいくらなのかは、都道府県ごとによって異なります。

 2022年の最低賃金は、次のようになりました。

 2021年よりも、2022年は平均31円と約3%金額が上がっています。

 県によって金額が異なるのは、それぞれの地域の実情などを考慮して決められるためです。

 

02 あなたの給料は 最低賃金以上?未満?

 ところで、あなたがもらっている給料は最低賃金以上でしょうか。それとも最低賃金未満でしょうか。それを調べる計算方法があります。

 アルバイトとかパートで働いている方とか時給の場合は、さっきの上の表を見比べて、自分の時給が最低賃金以上なのかどうかみればOKです。

 日給の方は、日給以外に手当がなければ1日の労働時間で割ればわかります。

 たとえば、日給8,000円で1日の労働時間が8時間であれば、8,000円÷8時間=時給1,000円になるので、それを比較するということになります。

 問題は基本給や手当をもらっている方です。

 AさんとBさんを例に紹介します。

 

 ① Aさんの場合(月給のみ)

 Aさん。「美味しい珈琲を入れたい」という夢を叶えるため、京都のあるオシャレな喫茶店で正社員として働き始めました。

 基本給が月135,000円、職務手当が月25,000円、通勤手当が月8,000円。月の平均の労働時間が160時間だとします。京都なので、10月の最低賃金は968円です。

 最低賃金は、お仕事に直接関係のないものは含まないので、通勤手当は計算から除いて計算します。すると次のようになります。

 基本給月135,000円+職務手当月25,000円=160,000円

 160,000円÷月の平均の労働時間160時間=時給1,000円

 時給1,000円は、京都の最低賃金968円を上回っているので、最低賃金以上、OKです。

 

 ② Bさんの場合(月給と日給の組み合わせの場合)

 Bさん。ある憧れの師匠の下で修業を積むため、長崎県の建設現場で、日給と手当は月給でもらって働き始めました。

 日給が5,000円、技能手当が月24,000円、住宅手当が月8,000円。1日の労働時間が8時間、月の平均の労働時間が160時間だとします。

 長崎なので、10月の最低賃金は853円です。

 最低賃金は、さっきの通勤手当のように、お仕事に直接関係のないものは含まないので、住宅手当は計算から除いて計算します。すると次のようになります。

 日給5,000円÷8時間=1時間625円

 24,000円÷月の平均の労働時間160時間=1時間150円

 1時間625円+1時間150円=775円

 時給775円は、長崎県最低賃金853円を下回っているので、最低賃金未満です。

 この場合、長崎県最低賃金853円-Bさんの時給775円=78円が差額になります。

 この差額78円×労働時間分を請求することができます。

 賃金の時効については、過去の記事を参考にしてください。

ihay.hatenablog.com

 

 おわりに

 多くの企業では、毎年10月頃に給料をアップさせます。これは最低賃金の引上げが毎年10月に行われるからです。

 もし、あなたが勤めている会社で、時給や月給などがそのまま変わっていない場合は、最低賃金未満の可能性があるかもしれないので、一度計算して調べてみるといいかもしれません。

 

【相談窓口】

 ・労働基準監督署所在地一覧|厚生労働省 

 

【参考】

・Q2 最低賃金は誰がどのように決めているのですか。|厚生労働省

・あなたの賃金を比較チェック|最低賃金制度

 

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