[年休02] 働きやすい会社の特長
はじめに
近年の研究で、年休をたくさん取得させている会社ほど、私たちの「従業員の働きやすさの向上」「離職率の低下」「新入社員の定着率の上昇」 につながっていることがわかっています*1。
今回はその「年休の取得」と「働きやすさ」などに関するデータをご紹介します。
はじめに
01 2社に1社が人手不足?
02 長く勤められる会社を見つけるには?
03 業種別年休の取得事例
おわりに
01 2社に1社が人手不足?
日本の雇用の7割,人数で言うと約4200万人の労働者が中小企業で働いています。
「労働経済白書」のデータによれば,全体のうちの約50%,つまり約2社に1社が人手不足と感じています。
また、今後,私たちが出生率を約2人に上げたとしても,将来日本の人口は2060年くらいには,約2000万人くらい減っていくことが分かっています*2。
働く人の人数でいくと,経済成長がなかった場合,2040年には現在より約1,000万人も減ることが予測されています。人口がこれから減っていくのはほぼ間違いないです。
特に中小企業では,人手不足感が強い傾向にあります。
人手不足を解消しないといけないのは,長時間労働,職場での働きやすさ,働きがいといったものにマイナスな影響を与える可能性があるからです*3。
02 長く勤められる会社を見つけるには?
イギリスの調査においても,人手不足を生む最大の要因は,「労働者の離職」ということがわかっています。
ですので,私たちは、離職などによる人手不足を解消するための取り組みを積極的にしている会社を選ぶ必要があります。
たとえば「年休を取りやすい環境にある会社」は、「離職率の低い会社」である可能性が高いといえます。
年休の取得など「魅力ある職場づくり」をしている会社であれば,会社を辞める人が減っていくので,「人材の確保」を維持している会社ということになります。
人材が確保している会社であれば,また1から育てていきましょうということをしなくてもいいので,会社全体の「業務の向上」を促している会社といえます。
そして会社全体の業務が向上すれば,会社の「利益を増やす」ことができます。利益が増えれば,会社で働いている私たちだけではなくて,私たちの家族に使えるお金も増えていく,娯楽に使えるお金も増えていくという形で,好循環をつくっていくことができます。
そのため、年休を多く取得させている会社など、そういった魅力ある職場づくりに勤めている会社は、今後私たちが長く勤めていくうえで重要な要素の一つになるでしょう。
03 業種別年休の取得事例
ちなみに、業種によって年休の取得促進をどのようにするかは向き不向きがあるため、参考までに業種別の取り組み事例を紹介します。
年休の取得促進について、「誕生日や記念日に年休を取得させる」「仕事を共有して年休を取得しやすくさせる」などいろいろ例が挙げられていますが、いずれも魅力ある職場づくりに努めることによって、好循環を手に入れるための取り組みといえます。
おわりに
人生に占める割合は、当然ながらお仕事だけではありません。自分の人生を充実させることも、生きるうえで大切なことです。
私たちのことだけではなく、私たちの家族や友人、恋人と過ごす時間についても考えることのできる魅力的な会社に出合う人たちが増えれば、私たちはより、自分の人生を楽しく生きやすくなるのかもしれません。
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【参考】
[育休01] 育休「分割取得」可能に
日本は世界と比べて、男性の育休取得率がとても低い国です。
2020年度の厚生労働省「雇用均等基本調査」のデータによると、日本の育休取得率について、女性は81.6%に対し、男性は12.65%と世界的にかなり低い数字です。*1
2019年度の男性の育休取得率は7.48%。2020年度が12.65%です。伸び率としては高いのですが、まだまだ男性がなかなか育休に参加できないというのが現状です。
そこで、男性の取得率を上げるため、2022年10月1日から、産後パパ育休(出生時育児休業)が創設され、さらに育児休業の分割取得ができるようになりました。*2
「産後パパ育休」の大きなポイントは以下のとおりです。
・通常の育休制度とは別に取得できる
・子どもが産まれて8週間以内であれば、4週間まで分割して取得することができる
・育休を始めたい日の2週間前でも申請できる
・2回まで分割して育休を取得できる
日本の男性の育休取得率が向上していけば、これまでキャリアや子育ての面で大きく占めていた女性の負担も、少しずつ軽減させることができるかもしれません。
(相談先)雇用環境・均等部(室)所在地一覧(令和4年1月11日時点)
[年金01] 年金はなくならない
結論からいうと、年金は受給した年から約11年10か月以上長生きすれば、得になります。
[医療01] 「高額療養費制度」で支払いを減らす
家計に対する医療費の自己負担を少なくするため、病院などの医療機関の窓口で、医療費の自己負担を支払ったあと、月ごとの自己負担限度額を超える分について事後に返還される制度があります。
これを「高額療養費制度」といいます。
出典:厚生労働省HP「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(平成30年8月診療分から)
たとえば、年収が370万円から770万円の70歳以上の人が3割の自己負担をする場合、100万円の医療費だと30万円が自己負担になります。
すると窓口負担した30万円のうち、高額療養費として21万2570円は支給してもらえます。
自分が負担するのは8万7430円に抑えられます。
自己負担する上限額は、年齢や所得によって異なります。
生命保険に加入するより、「高額療養費制度」を利用したほうが安く抑えられる場合もありますので、一度自分の家計を見直すのもありかもしれません。
【参考】
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・[医療01] 「高額療養費制度」で支払いを減らす ★今回の記事
[過重01] 労働者の疲労蓄積度チェックリスト
以前から国際的にも問題視されている日本の「長時間労働」。
「長時間労働」について日本や欧米の研究を見てみると、「長時間労働」は心筋梗塞や狭心症といった発症リスクを少なくとも約40%増加させるとされることがわかっています。
そのため、自分がどれだけ「長時間労働」により、疲労がたまっているのか客観的に知る必要があります。
厚生労働科学研究によれば、「労働者の疲労蓄積チェックリスト」というのが、もっとも広く利用されているとされています。
約1分であなたの疲労蓄積度がすぐにわかります。
チェックリストに答えると「あなたの疲労はこれくらいです」というのが出てきます。
労働者用以外にも、家族用もあります。
ただ、通常は、労働者による自覚的な評価で判断するのが理想です。
もし、「あなたの疲労蓄積度は高い」という結果が出た場合は、産業医の面接指導などの受診を積極的に考えてみてください。
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★今回の記事
[労災01] 腰痛予防 「これだけ体操」
重いものを運ぶ作業などが多い仕事、ストレス、運動不足などにより引き起こされる「腰痛」
特に佐賀。「腰痛」の多い県。全国トップクラスです。
そこで佐賀労働局では、腰痛対策で有名な松平先生とコラボし、「たった3秒でできる腰痛予防体操」を周知しています。
仕事の合間や休憩時間にぱっとできる優れものです。
実際に佐賀県では「腰痛」の労災請求が減っているようです。
10代でも発症するとされる「腰痛」。全国で「腰痛」に悩んでいる方は多いはず。周知が佐賀にとどまるだけではもったいない。
ぜひあなたも、「たった3秒でできる腰痛予防体操」試してみてはどうでしょうか。
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[賃金03]未払い賃金の請求期間 2年から3年へ延長
給料が支払われなかった場合や、割増賃金などが支払われなかった場合に、これまでは2年前までしか遡って請求ができませんでしたが、2020年4月1日から時効が3年に延長になりました。
更に今後は、3年から5年に延長される予定です。
ちなみに退職金は時効が5年までとなっています。
(労働基準法第115条関係)
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